第124回「 産学官交流 」講演会・交流会 報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構 


11月26日に静岡英和学院大学にご協力いただき、第124回の講演会・交流会を開催しました。

交流講演会では静岡英和学院大学短期大学部 現代コミュニケーション学科 重森雅嘉教授による「ヒューマンエラーの認知科学」と題した講演がありました


静岡英和学院大学 短期大学部 現代コミュニケーション学科 教授 重森 雅嘉氏

『ヒューマンエラーの認知科学』

 

 重森教授は立教大学、学習院大学大学院の心理学科を卒業後財団法人鉄道総合技術研究所基礎研究部安全心理研究室研究員として事故防止のために安全の研究をしてきた。作業者はマニュアルを遵守することで安全な対応をしており、想定外の事態でも対応して安全を確保するが対応できないときに事故が発生する。全てをマニュアル化しても人は従えない効率性の問題を抱えている。ヒューマンエラーを防ぐ方法としてSHELモデル(ソフト、ハード、環境は全て人が介在している)があり、人が中心となっている。

 ヒューマンエラーのメカニズムは2種類の記憶処理(制御処理と自動処理)があり、正しい制御に誤った無意識に実行される自動処理が割込みエラーとなる。エラーを起こしやすい時は記憶機能としていつものパターン、簡単なパターンの時、そして注意機能としては慌てる、忙しい、緊張、ぼんやりがある。プレッシャーに強いと言う人の方がエラーの確立が高いそうだ。

 ストループ現象(赤色の「あお」の色の文字を(赤)と答えるとき「あお」という文字に邪魔され約0.5秒の反応が鈍る)を実験しヒューマンエラーに対する「気づき」の15のパターンの紹介。1)いつもと違うことをする時は要注意:同じ行動は自動化する。2)同じパターンが続くときは思い込みが作られる。3)思い込みはすでに自分の中にある:バイアスという罠にはまってしまう。カードを使用した実験。4)だいじょうぶということばかりに目が向く:紛らわしいことがエラーを誘発する。5)紛らわしいものは見間違う:整理整頓してあると判断するのが早くできる:現場の整理整頓が必要。7)後では出来そうだができない。:「後で何々するは」難しい。8)後でやるためには手掛かりを作る:後ですることを忘れないためにメモ、手に書く等手掛かりを残す。9)ゆっくりやる:急いでやったほうがゆっくりやった時よりも7倍多くエラーが発生する。10)同時に沢山のことには注意できていない:同時にできる量には限りがある。11)注意が向かないものは見えていない。:トランプを使った実験。ジャック、クイーン、キングの赤・黒のカードを計6枚表示し、好きなものを選ぶ。次に6枚のジャック、クイーン、キングを2枚ずつ表示すると、全員が自分の選んだカードがなくなる。これは、自分が選んだカード以外の5枚は覚えていないため、変化していることに気づかない。12)不安も注意を奪う。13)能力の高い人はプレッシャーに弱い:プレッシャーなしとプレッシャー有では注意能力の差がでる。14)不安は書くと消える:書くことにより時間が継続する。指さし確認と同じ。15)同じことに注意を向け続けられない:注意の持続時間には限りがある。ひらがなの「お」を時間内にたくさん書く事の実験。参加者50人中7名が途中で「あ」の文字を書いてしまった。そのほか、「よ」、「む」も書いてしまう。

 ヒューマンエラーは無くすことはできないが、気づき、兆候を察することで減らす事が出来る。製造業では生産効率の関係もあるが、実験のように0.5秒差でエラーが激減するので、作業で一呼吸置くなどが考えられる。ヒューマンエラーを防止する方法として、作業の多様性を減らす、例外作業を減らす、作業時間を多くとるなどが挙げられる。

 

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