第125回「移動 産学官交流 」 講演会・交流会 報告 


 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構  静岡県農業高等学校校長会                                                                           

静岡農業高校の協力で、移動産学官交流講演会として静岡県立静岡農業高等学校の発表、株式会社浜松ホトアグリ、光産業創成大学院大学の講演があった。

開催にあたり、静岡県立静岡農業高等学校竹川暢昭校長より挨拶を頂きました。竹川校長より、静岡商工会議所新産業開発推進機構と新しい農業を推進する企画として7年目を迎えた。今回の講演者の紹介、松葉研究班は足掛け8年の研究をしている。研究の成果として乳酸菌の発見まで達している。企業発表では山田氏は8,9年前に静岡新聞の「窓辺」に投稿していた。東南アジア旅行中に農業をやりたいと思ったことは本校の高校生に大きな励みになる。大学発表では農業と異分野の話に思えるが異分野の話が欲しい。研究力が必要で農業だけを見ていたら駄目である。よって、みんなにどのように感じてもらえるか?交流会も楽しみにしてほしい。高校生の役割も大きくなっており、今高校生に何を期待して行くかも必要となっている。一番うれしいことは昨年にひき続き静岡商工会議所酒井会頭に参加を頂いたこと。今日は素晴らしい時間を共有して頂きたいと挨拶があった。

 

     竹川静岡県立高等学校校長

 

 

まず初めに静岡県立静岡農業高等学校 松葉研究班による三保松原・松葉在中微生物の活用研究 』と題して発表をして頂きました。今までは松葉の保全を目的に商品開発の研究をして、行政と共に環境保全に取り組んできた。ビジターセンター設立を機に松葉在中の微生物に目を付け、その利用による商品開発のための研究を実施。三保松原の微生物を研究するため、海側、陸部、浜辺側の松葉を採取。7種類の乳酸菌に関連する微生物を発見できた。遠心分離器によるカタラーゼ試験の結果海側2種類、浜辺側1種類から乳酸菌を抽出できた。発酵以外に体に良い物質があることが分かった。GABAに焦点を挙げ、リラックス効果のあるGABAが松葉乳酸菌からできるのではないかと推測。静岡工業技術研究所と連携してGABAの分析をする。1サンプルからグルタミン酸がGABAを生成する能力があることが判明。一般的なヨーグルトよりGABA生成能力が約1.6倍高いことがわかる。乳酸生成力の高い株と合わせることでより良い微生物株)となった。安全性を確認するためにヒスタミンの量も測定。課題はまだあるが、今後引き続き乳酸菌を利用した食品開発ができるよう研究を進めていく。

 

    静岡農業高等学校松葉研究班

 

 

講演1では株式会社浜松ホトアグリ 代表取締役 山田万祐子氏による農福連携 ~研究者から生産者へ 研究を行ってきた私にできること~ 』と題したテーマで講演していただきました。浜松ホトアグリは浜松ホト二クスの子会社でベビーリーフ(各種葉っぱの発芽後の小さなもの)を生産している。又、様々な個性と特徴のある葉っぱ(リッチリーフ)の生産もしている。料理の主力にはなれないが、わき役として何が出来るかを考え生産。リッチリーフ誕生までの過程として「出会い」「偶然」「想い」「失敗」がある。幼いころ海外に興味を持ちアジアの子どもたちが学校へ行かず働いていることに衝撃を受ける。高校時代に農業に興味を持ち、東京農大に進学。大学時代は青年海外協力隊を目指してマレーシアで実習。卒業後浜松ホトニクスに入社し研究所で4年務め。青年海外協力隊の試験を受け合格するが日光アレルギーとなり断念。その後、光産業創成大学院大学に国内留学し「アカジソ」の研究をする。香りが強く、機能性成分が豊富なアカジソをサラダとして食べる方法がないか研究。大学の教授から「現場を持て、宝が落ちている」といわれ、本格的に農業に従事400坪の農園を持つ。知的障害者との出会いをきっかけに、事業を進める。知的障害者の素直さ、感性、直感に驚かされ、又、自分の情緒にプラスに働く存在となる。女性と知的障害者が主役の農業法人浜松ホトアグリを設立。障害者はそれぞれの得意分野があり、何度も面接、実地体験を繰り返し雇用している。これらの出会い、偶然(日光アレルギー)、想い(アカジソ)、沢山の失敗によって「リッチリーフ」が誕生。浜松ホトアグリでは価格150円のリッチリーフを遠鉄ストア、クックマートなどの一般スーパーに販売、健康志向の高い層に葉酸リッチリーフをビオあつみ、イオンなどで販売、ロイヤルリッチリーフ(350円)を遠鉄百貨店で販売、静岡地区では日本平ホテルで使用。日本食のなだ万でも使用している。今後は障害者に単なる作業だけでなく土壌測定、生育調査の研究活動にも参加できるよう挑戦していきたい。又、ひと手間加えた付加価値のある商品(焼き菓子)の販売、障害者の社会参加を目指す。又、障害者の直感や感性を引き出し、ともに成長し続けることが自分の役割と思っている。「葉っぴー」を合言葉に挑戦を続けていきたい。

 

 

     株式会社浜松ホトアグリ 山田氏 

 

 

講演2では光産業創成大学院大学 光エネルギー分野 教授 藤田和久氏によるイノベーションの実践 -企業×対話×光技術- 』と題した講演をして頂きました。講師の藤田教授は藤枝市出身で大阪大学レーザー核融合研究センターに務めた後、宇宙航空研究開発機構でレーザー宇宙太陽光圧電の研究に従事し2005年の開学時より光産業創成大学院大学に務めている。専門はレーザー加工。光産業創成大学院大学は博士課程のみで各学年定員10名で3年間基礎研究と新事業開発のための実践・経営を主としている。これまでの創業企業数は32社、浜松ホトアグリ社も含まれる。学生は企業からの派遣が約60%、経営者が30%、個人入学が10%ほどとなっている。平均年齢としては40才代前半、3年間博士論文を執筆し学位を取得。最大6年履修できる。光技術と事業戦略立案に必要な基礎識を習得する。光は電磁波、まっすぐ進み、エネルギーを持つ。フォトンという粒の流れがある。音は真空中を伝わらないが光は伝わる。秒速30万キロで伝わる。光は同じ場所に詰め込む(集める)ことが出来る性質を持っている。平成25年に虫を光で集める研究をする。白熱電球が製造中止になった為LEDを利用。緑色に集まることが解る。紫外線で集めると対象害虫ではない虫も集まる。緑にすると対象害虫だけが集まった。県内企業との研究では浜松の内山刃物。木工用ドリルを製造していたが、木工が斜陽産業となり2代目が入学。ゲーム機やコントローラのプラスチック枠を加工する刃物も開発。やわらかいものを削る。レーザーで刃を加工する。レーザーの当て方で全く異なる為その研究し、実際に刃物を作って事業化している。2例目は浜松市の製缶業。リーマンショック後売り上げが激減。現在はレーザー加工する子会社もある。富士市のトヨコ―社は11年前に相談があり、レーザーで錆取りをしたい。市販の装置ではうまくいかず、常識では考えられない発想をして研究を開始。新たな装置を作るためにはお金がかかり、そのため産学連携の補助金を申請、試作を作るがイメージが違うとのことで、グラインダーのように筒状の物で回転する物にできないかとなった。プリズムを設置することでレーザーが回ることを付きとめ2回の補助金で新製品を作ることが出来、錆も取れるようになった。中部電力もプロジェクトに参加し、誰かが何かを言うとそれをヒントに考えた。その後鈴与建設と合弁の会社を作り現在に至っている。新規ビジネスは相手の立場に立って、本質を本当に検討(常識を疑う)、試して沢山失敗しそれがヒントになる。そして成功する。

 

   光産業創成大学院大学 藤田教授

 

 

講演会後、1階会議室にて交流会を実施。静岡農業高校食品科学部の生徒による料理を堪能しました。静岡商工会議所酒井会頭の挨拶、静岡県立科学技術高校の遠藤校長の挨拶を頂き、柴原教諭による料理の説明を受ける。その後、清水産業情報プラザ現場改善支援事業運営審査会上妻委員長より終了の挨拶を頂く。

 

      酒井静岡商工会議所会頭                      遠藤科学技術高等学校校長

 

      芝原静岡農業高等学校教諭

 

   

 上妻静岡市現場改善支援事業運営審査会委員長

 



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