第127回「 産学官交流 」講演会・交流会 報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構 


東海大学海洋学部にご協力いただき、第127回の講演会を開催しました。

今年度の産学官交流講演会はコロナ禍の影響で6月、7月の講演会は延期となり今回が今年度2度目の講演会となりました。只、従来の対面方式ではなく、オンラインライブ方式で2020年11月24日Youtubeにて配信しました。東海大学 海洋学部 生物生産学専攻高見宗弘講師による「駿河湾の深海性魚類」、同学部 海洋生物学科 田中克彦准教授による「駿河湾のベントスの分布と多様性を探る」の講演がありました

 

 


東海大学 海洋学部 生物生産学専攻 講師 高見 宗弘氏

『駿河湾の深海性魚類』

 

高見講師は東海大学卒業研究から現在に至るまで一貫として駿河湾の深海性魚類の研究をしている。駿河湾は日本最深の湾であり約2,500m。湾西側は海底地形が複雑で、東側は平坦で約200mの場所が多い。200m以上を深海と呼んでおり、駿河湾はほとんどが深海となる。駿河湾の深海系魚類は370種、土佐湾の239種と比較しても多い。最近は新種や日本発記録種が見つかっており、漁業としても成り立っている。底引き網漁(200~500m)メヒカリ、カサゴが一般的、近年ではヒウチダイ、ギンメダイ、二ギスなどが食用となっている。サクラエビは昼は200mほどに生息し、夜水深20m~80mに上がってくる(日周鉛直移動)。立縄釣り量・底延縄漁ではキンメダイ、ムツが多い、深海性サメ類は肝油用として、深海カゴ網漁ではヌタウナギを獲り、韓国に輸出、皮は財布に利用されている。深海性魚類はスーパーで売られており身近になっている。深海性魚類の生態はほとんどわかっていない。稚魚分類学を研究している。稚魚と成魚は形態が全く違う。魚の研究では重要な位置づけとなっている。深海底性魚類は卵の数が少なく成長も遅い。まだまだ生態が不明であり研究の余地が大きい。

 

 

 

 

東海大学 海洋学部 海洋生物学科 准教授 田中 克彦氏

『駿河湾のベントスの分布と多様性を探る

 

ベントスとは底生生物の総称で特徴としてはエビ・カニ類、ワカメ・ヒジキ・昆布等漁獲対象となっているものが多い。人間生活にとっても欠くことのできない構成要素である。マクロベントスの研究は少なく、深海の駿河湾でのマクロベントスの研究を実施。駿河トラフ(90~2350m)の10地点、石花海海盆(540~860m)の4地点で海底泥を採取。海底泥をふるい分けして、残った生物を回収、計測する。ゴカイ・イソメなどの環形動物、エビ・カニなどの節足動物、会の仲間の軟体動物、その他がマクロベントスとして採取された。砂泥の分析で深海域の粒子のサイズは駿河トラフでは粗粒子が多く、石花海海盆では75μm以下の粒子が多い。浅海域では250μm以下の粒子が多く、富士川河口沖では粗粒子が多い。生物の分析で深海域の駿河トラフでは深い地点では数が少なく、石花海海盆では有孔虫類が豊富、浅海域では環形・軟体・節足動物の個体が多い。同じ深海でも東海トラフと石花海海盆では環境が異なり、マイクロベントスの生息が制限されている。浅い場所では波浪の影響により食物源となる有機物が少なくマイクロベントスも少ない。深海では推進・地形により、又強い流れによってマイクロベントスの生息に影響がある。

 

 

 

 

 

 


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