第130回「 産学官交流 」講演会  報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構 


静岡大学にご協力いただき、第130回の講演会を開催しました。

今年度の産学官交流講演会はコロナ禍の影響で、オンデマンド(動画録画配信)方式、オンライン方式で2020年10月より実施しております。今回は静岡大学 農学部 生物資源科学科 助教 薗部礼氏よる「ハイパースペクトルデータによる農作物の品質とストレスの同時評価」、工学部 機械工学科 准教授佐野吉彦氏による「静岡名産:干物。お茶、温泉、海洋深層水を輸送論から考えると」の講演がありました

 

 


静岡大学 農学部 生物資源科学科 助教 薗部 礼氏

ハイパースペクトルデータによる農作物の品質とストレスの同時評価

 

薗部助教は民間会社(パスコ、中村屋)に勤めた後、日本学術振興会特別研究員後、静岡大学農学部の助教となる。農家さんの技術の継承においてハイパースペクトルデータが役に立つと思われる。リモートセンシング、食品加工の点からお茶に関する研究を実施。お茶にストレスを与える(例えばかぶせ茶)ことにより高付加価値化に繋がるが農家さんがその技術を明文化することは難しい。プロの技を伝えることは難しいため、客観的なデータ(光合成色素のバランス)によって品質を評価できないか考える。全クロロフィルとカロテノイドの比によって光環境のストレスを評価することが有効。又、分光反射データを活用することで問題点を克服する。分光放射計を用いて葉のみを計測。実験場として島田市の金谷茶業研究拠点で実験。農場では遮光率の変化による栽培(4タイプ)を行った。光合成色素含量(クロロフィルa)は遮光率によって変化することが確認できた。分光反射計測では数値化することで青、赤、緑の領域が判明、560nmがグリーンピーク、750nmがレッドエッジとなる。これらのデータをもとに分光反射率と機械学習アルゴリズム(AI:ディープラーニング)を活用した光合成色素含量推定モデルを4つのAIで比較した結果、KELMを利用することで精度の誤差が少ないことが判明した。これによりお茶の品質、ストレス度の評価に利用することが出来ることが判明した。

 

 

 

静岡大学 工学部 機械工学科 准教授 佐野 吉彦氏

静岡名産:干物、お茶、温泉、海洋深層水を輸送論から考えると

 

人工知能を使って熱の伝わり方を研究するテーマより、参加者の皆さん、静岡に何らかのベネフィットがある今回のテーマとした。輸送論とは熱や物質の移動を伴う学問であり、分かり易く説明すると、例えばコーヒーでは熱が豆に移動して科学反応がおき、豆の成分がお湯に移動する。この移動がわかれば味をコントロールできる。輸送論を利用して自分の好みの味のコーヒーを作るコーヒーマシンを飲料水会社と共同研究している。輸送論から考えた干物、お茶、温泉、海洋深層水は佐野准教授の専門分野ではなく、あくまで可能性について述べている。干物では、乾燥食品は個体から水分が移動し、温度変化による風味の変化。気体側の湿度を低下させるか個体の湿度を上げるかであり、風速を上げることでも乾燥ができる。乾燥をシミュレーションして乾燥条件を決定することで干物のおいしさを測ることができる。お茶に関してはお茶の抽出全てが輸送現象となる。茶葉にお湯を注ぐことで成分が移動する、まさに輸送論。お茶の抽出数理モデルを考案することで美味しいお茶の抽出が可能。温泉スケールによるつまりを輸送論で解消。炭酸カルシウムにより管が詰まる問題がある。温泉を使用した地熱発電プロジェクトで熱交換器内部に対策を施すことによりスケールが付かないことが判明、その技術(輸送論)を利用すれば管のつまりが解消されるであろう。海洋深層水では海を汚すことなく、海水に含まれる資源を回収できる。これはアンヴェール(株)との共同研究。海水の資源となるとマグネシウムとカルシウムになる。陽イオン交換膜電解法により環境に良い資源回収が可能。炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが回収できた。

これらの静岡名産を輸送論で考えると、品質を保ち短時間で乾燥させる提案、さらにおいしいお茶を抽出できる条件を提案、温泉スケール問題の解消、海水資源を回収することができるであろう。

 

 

 

 

 


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