第134回「 産学官交流 」講演会 報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構、静岡市産学交流センター(B-nest) 


静岡理工科大学にご協力いただき、第134回の講演会を開催しました。

今年度の第3回目産学官交流講演会はコロナ禍の影響で、オンライン(ライブ)方式で開催いたしました。今回は静岡理工科大学防災教育センター 教授 中澤博志氏よる「地震時の地盤被害の特徴と液状化対策」、同理工学部建築学科 講師  鍋島佑基氏による「空調自動化のための取り組み~リモコンの無い家を目指して~」の講演がありました

 

 

静岡理工科大学 防災教育センター 教授 中澤 博志氏

『地震時の地盤被害の特徴と液状化対策』

 

過去の地震時の地盤被害と液状化に関して4つの内容(液状化被害の事例、液状化の発生条件、液状化対策、共同研究事例)についての講演。1891年から2018年までの主な液状化被害の事例を出し、被害の特徴と液状化が起こりやすい地盤・地形について説明があった。水に近い地形(海、川、沼、池)があった場所が危険。液状化定義として、不飽和、長時間継続動が挙げられる。静岡県内の液状化予測の説明があった。液状化対策に関しては液状化対策工法の開発、空気注入や微生物固化の検討による環境負荷低減、地盤改良による施設・構造物の対策がある。尚、対策工法として薬液固化、締固め改良、液状化層の不飽和化がある。共同研究として、平成16年に発生した中越地震では1,400箇所のマンホールが突出、平成23年の東日本大震災では20,000か所以上のマンホールが被害、発災後水不足が生じた。そのため、排水機能付き地下貯水槽の開発をしており実用化に向けて研究している。尚、チャットによる質問が3件寄せられ回答。参加者の興味があった講演であった。

 

 

静岡理工科大学 理工学部 建築学科 講師 鍋島 佑基氏

『空調自動化のための取り組み ~リモコンの無い家を目指して~

 

建築業界とITの現状は建物の性能(耐震性、断熱性、空調機、創エネ)では世界トップクラスの技術と普及率であるが、情報技術の面ではBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)が大規模ビルへの実績と成果があるが、IoT、ICTなどでは遅れている。現在の建築に欠けているのは情報処理と建築を繋ぐ人間である。BEMSは非常に高価格であり、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)はただの見える化ツールである。そこで、HEMSに変わる空調自動運転システムの開発に着手。目的は自動制御システムの構築、居室への導入効果の検討、換気方式の検討であり、予測温冷感申告(PMV)をパラメータとした自動制御システムとなる。ラズベリーパイとセンサを組み合わせたユニットを作成し、導入効果を測定。この制御システムによって最適な設定温度の選択ができた。再生可能エネルギー(FCU)を一戸建てに設置、快適範囲に収まるよう設定、夏期の自動運転で出力の最適化が図られた。機械学習によるPAC(プログラマブルオートメーションコントロールシステム)の自動化ではIoTダンパーの開閉により制御ができた。今後ビル全体を管理するにはCloud AIを利用することで空調自動化が可能となる。

 

 

 


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