第135回「 産学官交流 」講演会 報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構、 


静岡大学にご協力いただき、第135回の講演会を開催しました。

今年度の第4回目産学官交流講演会はコロナ禍の影響で、オンデマンド(講演録画配信)方式で開催いたしました。今回は静岡大学工学部数理システム工学科 講師 水谷友彦氏よる「知識発見のための行列分解手法の紹介」、同農学部応用生命科学科 教授  笹浪知宏氏による「静岡県沿岸水域の資源回復に関する研究」の講演がありました

 

 

静岡大学 工学部 数理システム工学科 講師 水谷 友彦氏

『知識発見のための行列分解手法の紹介』

 

データには有益な知識が含まれており、その発見には行列の分解が役立つ。スペクトラル・クラスタリングと非負行列分解法があり、それぞれの分解とグループ分けについての説明があった。スペクトラル・クラスタリングはデータが与えられた時、データを複数の集団に分ける方法で、データからグラフを生成できればグループ分けができる。非負行列分解は「負の値が含まれていない行列の掛け算形式で、元の行列を分解する」ということであり、数式で表すことが出来る。尚、ハイパースペクトル画像からの端成分抽出問題や文章からのトピック抽出に対して有効に動作することが確認できた。

 

 

静岡大学 農学部 応用生命科学科 教授 笹浪 知宏氏

『静岡県沿岸水域の資源回復に関する研究

 

笹浪教授は農学部に属しているが農学部内に地域フィールド科学教育研究センターがあり、用宗の海岸沿いに研究拠点があり、海水を汲み上げて貯蔵するタンク、飼育室、実験室を備えている。又、農学部と理学部の先生12名が所属している。笹浪教授はふじのくに海洋生物化学研究所の所長を兼務、講演は研究所の研究が中心となった。駿河湾および静岡県沿岸水域の資源回復に関する研究をしており、海洋由来微生物の有効利用、駿河湾に生息する深海魚の腸内細菌叢の解析、アサリの資源回復を目指した海草バイオマスの復元、プラスチック分解酵素の耐熱化・高活性化、マナマコを用いた再生機構などを研究している。尚、サクラエビ資源回復に関する研究紹介では、サクラエビの不良問題に関し、海洋環境自体を制御することはできないことから何らかのブレイクスルーが必要であることを説いている。人工養殖技術の開発が急務であるが開発が進んでいない。サクラエビの食性調査をして、受精卵→孵化→ノープリウス幼生(孵化1日目)→エラフォカリスI幼生(孵化3日目)→エラフォカリスlll幼生(孵化13日目)→アカントソーマ幼生(孵化19日目)→マスディゴプス(孵化21日目)までは飼育できたがその後は成功していない。又、受精卵の冷凍保存方法の開発も行っている。

 

 

 


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