第137回「 移動産学官交流 」講演会 報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構、静岡県農業高等学校校長会 


 静岡県立静岡農業高等学校にご協力いただき、第137回の講演会を開催しました。今年度の最後の産学官交流講演会は移動産学官交流講演会として、静岡農業高校にてハイブリッド(会場聴講とオンライン聴講)で開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大により、会場聴講は中止とし、オンラインのみの聴講となりました。又、パネリストとして静岡農業高校の生物工学部の皆様、株式会社ヤタロー フードビジネス事業部 スーパーバイザー 川合真莉様、静岡県立農林環境専門職大学 生産環境経営学部 前田節子教授をつなげた4元中継での講演会となりました。

 

 

 

静岡県立静岡農業高等学校 生物工学部の皆様

『「かつぶし芋」の秘めた魅力に迫る ~在来作物を後世へ~』

 

 静岡農業高校生物工学部では駿河区大谷の在来作物「かつぶし芋」の保護活動を通し、静岡市の「種子・植物バンク 」を開設し、在来作物の保存をしている。活動はSDGsにも関連する。かつぶし芋は2015年に校内圃場で栽培し、2018年に大沢地区で栽培を開始、2020年にはかつぶし芋コロッケを販売し2,100個252,000円を売り上げる。令和3年から種子・植物バンクの活動に取り組み在来作物5品種(井川の白小豆、緑小豆、大ビル、梅ヶ島すじなし豆、大谷かつぶし芋)の栽培・種の更新、在来3品種(白小豆、緑小豆、すじなし豆)の植物組織培養、圃場展示・食育活動を実施。食育活動では幼稚園園児に圃場展示と観察会を実施、また、収穫では子芋を各家庭にプレゼント、親芋は園児のおやつとした。保護や園児ともかつぶし芋に興味を持っていただいた。中学生に在来作物の口座を実施。講座後は全員が興味を待ち、商品化による広報を実施。今後は在来作物農家の経営モデルを確立し、在来」作物の継承、収入増を目指したい。

 

 

 

株式会社ヤタロー フードビジネス事業部 スーパーバイザー 川合 真莉氏

『地域連携による食育の可能性

 

 株式会社ヤタローはパン・菓子の製造、直営店での販売から、食を軸としたサービスの提供(給食調理サービス、食堂運営、学校給食、公共施設運営、青果の卸売り)をしている。食堂事業を通じて世代別食育に取り組んでいる。0から15歳の給食喫食世代では授業の中に食育の時間があり授業を担当、16から30歳までの自由食世代では、高校生の学園祭での「地産地消メニュー開発」、大学生では理工科大学での給食イベント「きゅうしょくのじかんだよ」で、地産地消・旬の食材の大切さを高める。また、常葉大学では静岡市健康づくり推進課と共同で朝食・カルシウムイベント「0円カフェ」を実施。また、理工科大学で「Refuse」・「Reduce」・「Reuse」・「Recycle」をコンセプトとした「Re*カフェ」をオープン。プラスチックごみの削減を見える化した。社会人向けには静岡市葵区役所食堂「茶木魚」で食品ロスを削減する「静岡めんまプロジェクト」を実施、食べ残しを数値化して食品ロスを削減するとともに静岡産めんまの消費拡大により、放置竹林の環境にも取り組む。また、磐田の会社で「健康食堂プロジェクト」として、食生活の改善提案、健康数値測定会を実施して啓蒙活動をする。食料不足(タンパク質不足)を考慮した昆虫食にものりだしており、粉末コオロギを使用したパンの試験販売も実施している。今後、地域に根差した食育を通じてSDGsの取り組みも行っていく。

 

 

 

静岡県立農林環境専門職大学 生産環境経営学部 教授 前田 節子氏

『6次産業化の現状とこれから

 

 静岡県立農林環境専門職大学は農林大学校を前身として2020年4月に新設された。農業の新たな価値に繋がる加工・流通・販売と経営の能力を身につける。農林業経営体の経営革新を進め、農山村の持つ豊かな自然や美しい景観、伝統や文化を守り育む。6次産業化は平成23年に施行され、令和3年度末時点で約2,600件となっている。近年では経営多角化を目指し、農家レストラン、農業体験、輸出などの取り組みが増えている。只、6次産業の年間売り上げは約50%が農産物販売所、45%が農産加工、観光農園、農家レストランはそれぞれ1.7%にすぎない。静岡県では6次産業化サポートセンターによる支援があり令和3年度の推進事業として1億5,500万円予算化している。支援としては事業化助成、高付加価値化支援、人材育成、販路開拓支援などがある。サポートセンターの支援件数は平成27年をピークに年々減少、制度改正により支援を受ける事業者は付加価値額の1.5倍増を目標とする5か年計画を策定せねばならず、そのため、相談どまりとなっている。事例紹介として山形県庄内地方の在来作物の取り組み、農家レストラン(知憩軒、菜あ)の取り組み、長野県長野市(株)フル里農産加工のヘーゼルナッツ栽培と野菜・果実のアイスクリーム・ジャムの製造販売、長野県安曇野市のワサビ農園の紹介。ワサビ農園は6次産業化が施行される前から、観光農園として運営されている事例であった。

 

 


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