第138回「 産学官交流 」講演会(東海大学)報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構 


東海大学にご協力いただき、第138回の講演会を開催しました。

今年度の第1回目産学官交流講演会は会場聴講とオンライン(ライブ)方式で開催いたしました。今回は新たに4月に開設された東海大学人文学部 学部長 川崎一平氏による「静岡キャンパス・人文学部がめざす人材育成」、海洋学部 学部長 齋藤寛氏による「海洋学部のこれまでの10年とこれからの10年」の講演がありました

 

 

東海大学 人文学部学部長 教授 川崎 一平氏

『静岡キャンパス・人文学部がめざす人材育成』

 

今年度4月より新たに人文学部が開設された。入学定員はこれまで海洋学部の定員が530名であり、今年度の定員は同じく530名で人文学部が180名、海洋学部が350名となっている。

人文学部では20%強の女性が入学した。静岡の人口動態として若者流出県とされている。静岡市の人口の社会増減でもマイナスとなっている。NPO法人ふるさと回帰支援センターによると2021年の移住相談では移住希望地として静岡県が1位となっているが、流出が圧倒的に多く人口が減少している。今年度の入学者の都道府県別出身県では約50%が静岡県、女性の70%が静岡県であった。

人文学部の人材育成として「地域」「グローバル」「カルチャー」の3つがキーワードとなり、地域マネジメント、グローバルコミュニケーション、クリエイティブカルチャーの3つの領域から科目を選択できるプログラムとなっている。又、10の研究講座を設け、それぞれの組み合わせからカスタマイズできる。海の文化、食文化、国際社会、アート、日本の文化、古典、経済、地域文化、観光、共生などの幅広い選択肢があり、地域に学んで地域に貢献できる人材を育てることを目的としている。そのため、地域で実際に実施されているイベント、協議会への積極的に参加したい。そのためには皆様の協力を得たい。又、2か月ほどの海外留学を勧める等フィールドワークも重視することを予定している。静岡の魅力を発信できる人材を生み出したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東海大学 海洋学部学部長 教授 齋藤 寛氏

『海洋学部のこれまでの10年とこれからの10年

 

今までの海洋学部は530人定員で人文学部ができた事により350人態勢となる。

静岡市や商工会議所との共同研究は2017年より増加してきたが2020年のコロナ禍によって半減、今年度からは2019年レベルにもっていきたい。

又、今までは、海洋関連のシンポジウム、観察会、体験ツアー、静岡の新グルメ開発、駿河湾セミナー等、多岐にわたった研究、イベントを実施してきた。今年度2022年からは新たな海洋学部として、60年前に戻り温故知新でリスタートする。4月からは静岡キャンパス専用の通学船が江尻埠頭より運行されている。

2021年から2030年までの期間が国連で決議された「持続可能な開発の為の国連海洋科学の10年」であることにより、7つの目標(7つの海)を基本として活動していく。又、カーボンニュートラルの実現に向け、水生植物を用いた藻場の保全・回復などでCO2の吸収源としての可能性を探る(ブルーカーボンへの対応)ことで、海草藻場・海藻藻場・干潟・マングローブの創成、保全を実現する。海洋生態系の保全として「生態系や種・遺伝的多様性の保全、自然の恩恵の利用、公正かつ公平な遺伝資源の利用、目標を達成するための手段や資金の確保を4つのゴールとして定めている。

人材育成では海洋開発の基盤となる人材(エネルギー資源、海洋鉱物資源の開発、洋上風力発電を2030年までに10ギガワットを目指す)を育てる。又、気候変動と沿岸域の防災対策、海洋と宇宙の連携(衛星による海流の海況把握、漁海況予測の活用など)が考えられる。駿河湾を研究する「駿河湾学」を提供し、海の学びを通して、海の魅力を発見し、自ら行動できる人材を静岡から全国で活躍する「海洋立国を支える人材」を育成する。

 

 

 

 


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