第140回「 産学官交流 」講演会(静岡理工科大学)報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構、静岡市産学交流センター(B-nest) 


静岡理工科大学にご協力いただき、第140回の講演会を開催しました。

理工学部西田教授による『腐食抑制を目的とした納豆入り自己治癒コンクリートの開発』、情報学部四宮講師による『AI技術応用におけるデータ収集の問題点と改善への取り組み』の講演があった。今回は会場聴講とオンラインライブ講演会としてZoomウェビナーを利用して配信をした。

 

 

 

静岡理工科大学 理工学部 土木工学科 教授 西田 孝弘氏

『腐食抑制を目的とした納豆入り自己治癒コンクリートの開発』

 

 

西田教授は海水練りコンクリートの開発にも携わっており、委員会のまとめとして、海水を適切な利用をすれば問題ない、無菌コンクリートではほとんど問題ない、鉄筋コンクリートに対して要求性能を満たすような対応をすれば問題ない、できない理由ではなく、何とかできる方法を考えると発表している。70年間海洋環境で使用されたコンクリートのコアを解析、高炉セメントを使用した内部は低酸素状態となっており、鉄筋はカソード反応が抑制され腐敗速度が小さくなると推測。又、微生物代謝による酸素消費を活用した新しい鉄筋腐食抑制材についても検討したのが納豆菌を利用したもの。納豆菌の仲間である枯草菌を利用してひび割れ補修の実験。結果浸水量がゼロとなったことから自己治癒能力があると判断。枯草菌により酸素消費がされる。抗酸化作用によるコンクリ―ト中の鉄筋の腐食を抑制できる。そのため、フィリッピンでは酸素低減材が探索されている。現在様々な機関と連携し研究を進めている。

 

 

 

 

 

静岡理工科大学 情報学部 コンピュータシステム学科 講師 四宮 友貴氏

AI技術応用におけるデータ収集の問題点と改善への取り組み

 

 

AIでは人間の知能を実現するためのアプローチとして特徴量エンジニアリングと深層学習が挙げられる。特徴量エンジニアリングでは専門家が対象パターンを人手で設計、設計次第ではリソースで運用が可能。深層学習ではコンピュータが対象パターンを学習し、特長抽出を自動で獲得。高価な計算リソースや大量データが必要となる。そのためAIが何故そのような判断をしたのか人間が解釈するのが難しくなる。事例の紹介では、amazonのAIの採用システムで「女性への偏見」が見つかる。データの偏りが判明した。技術者の採用で技術者は男性が多いというデータにより「女性」という言葉を判断し、不採用とした。Google photosでは自動でタグを付ける。アフリカ系アメリカ人の画像に「Gorillas」とタグ付けしてしまい問題となる。Googleはこの問題を解決しようとしたが、AIの判断理由がわからず解決できなかった。高知県での産学連携事業(IoT)として、茄子と柚子の画像を利用。沢山の画像を入手しても人間が茄子と柚子を教えないとAIは次の作業ができなかった。又、柚子は柑橘類の為、年による収穫量の変動がある。それを単位土地面積あたりに存在する葉面積の総和である葉面積指数を割り出し、その指数によって管理する実験を実施。スマホで撮影した画像を取り組み判断することができるようになった。AI=深層学習と言われているが特徴量エンジニアリングが最適な場合も多いため、今後考慮して欲しい。

 

 


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