テーマ探索研究会&第142回「 産学官交流 」講演会

 

(静岡県立大学)報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構 テーマ探索研究会


第142回産学官交流講演会は静岡商工会議所新産業開発新興機構テーマ探索研究会と合同での講演会として実施。新産業開発新興機構 藤田理事長の挨拶後、静岡大学防災総合センター センター長北村教授、静岡県立大学尾池学長による地震・防災をテーマとした講演があった。

 

 

 

静岡大学 防災総合センター センター長 教授 北村 晃寿氏

『 休日災害 

 

2003年に熊本県水俣市で発生した土石流災害が休日夜に発災し、初動対応が遅れたことで休日災害と呼ばれるようになった。昨年の伊豆山の熱海土石流、今年9月の台風15号による洪水は共に休日に起こっており、その報告が中心となった。熱海土石流では褐色の盛り土と黒色の盛り土があり、2層構造で各層内の飽和透水係数にひずみが生じていることから数回にわたり崩壊した。2019年に小規模な崩落が今回の崩落の前兆現象としてとらえることができる。台風15号における洪水に関する航空写真がなく、北村教授は現地調査を行い、各地点での浸水深を計り発表、静岡県のデータとなった。CO2ガス排出による温暖化と海水上昇により豪雨災害リスクが高くなっている。日本人にとって最大の危機は南海トラフ地震であり、30年以内の発生率は60%、50年以内の発生率は90%となっている。又、液状化マップはマップと凡例が異なるページであり使い勝手が悪い。静岡大学防災総合センターでは専任教員の他72名の教員で防災人材育成を実施している。南海トラフ大地震への防災・復興には防災対策のスペシャリストが必要であり、既存の教育プログラムに地盤工学、土木学を加えて、より実践的・専門性を持った人材を育成している。しかし、静岡県には土木・地盤工学関連の教員が極端に少なく(静岡県9名、愛知県106名、岐阜県28名)、データや、経験が生かされていない。今後、防災社会基盤工学系の教育が必要であり、人材が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岡県立大学 学長 尾池 和夫

『 静岡の地震と火山 ~大地の仕組みを学ぶ~ 

 

尾池学長は地球科学者であり、俳人でもある。地震学の研究をしており、中国では地震に関する記載が多く残されており地震予報の基礎となっている。そのため、「中国の地震予報」を出版、その後、中国語に翻訳されている。世界の大地は安定大陸と変動帯に別れており、M7.8以上の大地震は中南米の太平洋側からカムチャッカ半島、日本、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニアへと続いて発生している。ユーラシア大陸(特に北欧)は平らな岩盤の上に都市が形成されてる。オーストラリアも岩盤で出来ている。シルクロードは活断層に沿ってオアシスができそれが繋がって道となった。日本の大地は太平洋プレート、フィリピン海プレートの近くに位置し、相模トラフ、南海トラフがある。又、直江津から駿河湾にかけて断層(構造線)がある。地震はプレートの動きと火山との関係が大きい。富士山は1707年以降噴火が無い。しかし、数十年前から噴火の可能性が提起されている。火山噴火予知連絡で2001年に「富士山噴火シナリオ」を検討、2011年の東日本大震災で富士山噴火の可能性が高まっている。活断層は近畿地域に数多くある。活断層運動が盆地や平野を作りだした。そのため、大地震は大都市の直下に起こる可能性が大きい。活断層によって、京都では水の文化が形成された。茶の湯、友禅、豆腐、日本酒、和菓子、半導体がその例。2038年南海トラフ大地震説。尾池学長は①時間予測モデル(海溝やトラフに向かう岬の隆起と沈溝の程度から予測)、②巨大地震の繰り返し、③地震活動期(巨大地震前後に付近の地震活動が活発化する)の考え方を総合すると2030年から2040年に南海トラフ地震が発生する。尚、秋から春にかけて地震が発生する可能性が高い。

 


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