第150回記念「 産学官交流 」講演会(東海大学)報告 

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

共催:新産業開発振興機構 


今年度最初の産学官交流講演会は第150回の記念産学官交流講演会として、東海大学にご協力をいただき、教養学部 人間環境学科 教授・キャンパス長 内田晴久氏による「次の時代を支える人材育成 ~創造性教育としての知的財産教育~」の講演と、静岡県立大学 教育研究推進部 地域・産学連携推進室 産学官コーディネーター 五老祐大氏による「県大産学連携のこれから」、静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 産学連携推進部門 部門長 特任教授 鈴木俊充氏による「静岡大学の産学連携活動について」の発表があった。

 

 

東海大学 教養学部 人間環境学科 教授・静岡キャンパス長 内田 晴久氏

『  次の時代を支える人材育成 ~創造性教育としての知的財産教育~ 』 

                                

 東海大学は松前重義博士が長距離電話ケーブルの開発成功によって、その奨励金を基に1936年東京に望星学塾の設立から始まる。松前重義博士は当時のデンマーク復興から、教育は新しい国づくりの基本であると考え、教育を通じて平和な国づくりに貢献することを決意。日本で初めての海洋学部を設立、科学技術に無理解な官僚、国のガバナンスに無頓着な技術者により「分離融合教育の重要性」を唱える。

 知的財産教育の背景としては2002年2月の「知的財産立国宣言」、「知的財産基本戦略」、「知的財産基本法」があり、東海大学関係者と3年にわたり調査・検討しモデルを構築。創造性教育としての知的財産教育を取り入れ人材を育成する。東海大学は幼稚園から大学院まで各段階の教員がいて、ピアジェの認知発達段階(第1段階~第4段階)に沿って教育ができる。また、VUCAの時代では空間・時間軸に対する認識力(想像力)をいかに広げられるかの新たな発想が必用となる。

 

 

 

 

 

静岡県立大学 教育研究推進部 地域・産学連携推進室 産学官連携コーディネーター 五老 祐大氏

県大産学連携のこれから 』

 

 静岡県立大学の産学官連携の概要として共同研究、受託研究、奨学寄附金がある。研究費総額の6%が間接経費となる。但し、令和6年10月から割合が増加する。受託研究、奨学寄附金では知的財産権は大学に帰属する。産学官連携の新たなかたちとして「共同研究テーマの公募」がある。企業が教員に共同研究テーマを募り、教員からの提案を受けて研究する。現在3件のプロジェクトがスタートしている。また、新たなかたちとして「寄付講座」がある。企業と大学が連携して寄付講座を開設する例は多いが、伊藤園との「茶健康科学講座」ではテーマを定めて3年間健康効果を調べ、臨床研究に取り組んでいる。

 食品栄養科学部では一貫した支援体制で「機能性表示食品」の届け出をサポート。機能性表示食品として50品目を超える食品を既に市販している。主な研究事例として薬学部の吉成教授は化学物質の毒性発現作用機序の解明と安全性評価を実施、食品栄養科学部徳村助教は室内環境の実態調査とその改善策の提案により新しい空気清浄機の開発を行っている。また、食品栄養科学部伊藤准教授は味や香りの客観的評価法、食品成分の機能性評価法などの開発を進め、大学発ベンチャー「合同会社DigSense」を立ち上げた。産学連携の成果事例として柑橘果皮由来ノビレチン試薬、シアリダーゼ蛍光試薬、イズシカめんち、アメーラトマト、コリバクチン検査、テアフラビン紅茶・テアフラビンドロップがある。大学発ベンチャーとして11社ある。

 

 

 

 

 

静岡大学 イノベーション社会連携推進機構 産学連携推進部門 部門長 特任教授 鈴木 俊充氏

『 静岡大学の産学連携活動について 』 

 

 静岡大学の3つの使命は「教育」「研究」「社会連携」。地域活性化・特定分野の重点支援を行う大学として地域ニーズに応じた人材育成拠点・地域社会のシンクタンクとして、様々な課題を解決する地域活性化機関があるべき姿となっている。静岡大学の産学連携は技術相談、学術・技術指導制度、共同研究、受託研究、奨学寄附金、技術移転、大学発ベンチャー、包括連携、企業支援がある。産学連携はまず技術相談から始まる。2023年の共同研究件数は282件(うち県内企業97社)、技術相談件数は79件となっている。企業の共同研究の目的として「重要な技術課題の解決」、「基礎研究の充実」があり、「大学との人的・組織的ネットワーク形成」、「大学からのノウハウ獲得」もある。なお、「社員の技術力向上や開発能力向上」といった人材育成もある。課題としては「誰に相談すれば良いかわからない(相談窓口が分からない)」、「大学の敷居が高い」がある。地域企業が大学を活用してもらうためには静大コーディネーターの活用、共同研究講座の活用があり、また、地域金融機関との連携、教員データベースの活用などがある。まずは大学に相談してほしいが、「何か儲かるものありませんか」、「面白いものありませんか」、「売ってくれるところを探してください」、「分析だけしてください」等困った依頼が多く、勘違いされている企業も多い。静岡大学研究シーズ集を確認して、シーズの動画も見て技術相談してほしい。これからの産学連携は理系の技術が中心だけでなく、人文社会系の知識移転も視野に入れた産学連携もある。「人材育成」、「リカレント教育」、「リスキリング」、「ノウハウ提供」、「コンサルテーション」、「学生インターンシップ」も産学連携です。大学は皆様の支援機関です。

 

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